黒子のバスケの完全新作映画、ラストゲーム。元々は連載終了後、ジャンプNEXTで連載されたEXTRA GAMEを劇場アニメ化したものが、今日公開された。
事前に公開されたPVでまさかの中学生時代の火神くんの姿が描かれることや、原作ではとうとう一コマも登場しないまま連載が終わってしまった黛さんの姿があったことから期待値をあげまくっていた私は、ネタバレを恐れ初日初回の上映を見ることにした。
ただし、近場の映画館である池袋は初回は舞台挨拶のライビュ上映、二回目三回目は舞台挨拶となっていたので、舞台挨拶のライビュで見ることにした。
実際は新宿ピカデリーで行われる舞台挨拶を二回分申し込んだが見事に外れた。池袋は、いつもなら二日前に開始するオンライン予約が先行で三日前にはもう開始されていたことに気づき慌ててチケットを取った。(その時点で大分席も埋まっていたので
舞台挨拶のライビュは上映後に行われるので、本編を見始めたのですが……ですが……。
もうね、なんていったらいいんでしょう。
感謝……!! 圧倒的感謝……!! という感じでカイジの例のシーンの画像を張りたくなるくらいの素晴らしい内容でした。
ラストゲームは、先ほども言ったようにエクストラゲームをアニメ化したもので、大筋の内容というのは既に漫画で明らかにされている。しかし、ラストゲームと名前が変わったように、その内容は少し異なっていた。
その大きく異なっていた部分は別記事でかくとしまして、この記事ではタイトルの通り、黛千尋について語らせていただきます。
映画の内容としましては、アメリカから来たストバスチームジャバウォックと、予選を勝ちあがって挑戦権を得たstrkyの日米親善試合から始まります。このstrkyっていうのが、キセキの世代の五人がいる学校のかつての先輩たちが所属するチームで、strkyも海常、秀徳、桐皇、陽泉、洛山の頭文字から取られてるんですよねえ。
ちなみに、黒子のバスケファンの間でも存在が認知されていなかったりする洛山先輩代表、元マネージャーの樋口さん。マンガでは顔が描かれてなかったモブ同然の存在だったのですが(ちゃんと本編中でフルネーム登場しています)、この度立派なフェイスを手に入れておめでとうございますと言いたいです。
で、この試合でstrkyはジャバウォックに完全にバカにされたプレイをされまくって惨敗、おまけに勝利者インタビューでリーダーのナッシュ・ゴールド・Jrが日本のバスケを散々ばかにしたもので、案内役だった誠凛のカントクであるリコの父親景虎さんがリベンジマッチを提案。
キセキの世代ドリームチームが結成され、アメリカのチームと対戦するというストーリーになるのです。
試合内容はまあ各自映画を見るなり漫画を読むなりしていただくとして、個人的に萌えどころをいくつか。
まず、アニメに当たり動きの作画やら演出やらが映画なだけあって凄かったことは言わずもがなですが、私が何よりも言いたいのは。
黛千尋!!ラストゲーム出演おめでとうございます!!!!!!!!!!!!
嫌、予告で出るの分かってたけどね!? 本当劇場で黛さん現れた瞬間、そのタイミングに叫びそうになったからね!?
さて、皆さん。私はキセキの世代とその相棒のコンビが本当に好きで。
でも、赤さん*1はその都合上登場自体が遅く、チームメイト自体も明かされぬまま準決勝まで来ました。
無冠の五将の三人とは違い、準決勝で何故か名前も顔も描写されない洛山の五番に凄い期待を寄せていました。
「絶対洛山五番が赤さんの相棒枠だろそうなんだろ!」と!
そうして決勝になり黛千尋という名前が明かされ、「黛って名前黒の代わり……あっ(察し」となり私の期待のボルテージはさらに上がっていたのですが。
ついに喋った黛千尋は、われわれ読者の想像の斜め上を容易に飛び越えた存在でした。
黛さんと赤さんの関係について語りだすと止まらなくなるので割愛しますが、まあそんなこんなで黛さんと赤さんのコンビに転がり落ちて黛さん自体にも転がり落ちた私は、エクストラゲーム連載時、黛さんの登場をずっと心待ちにしていました。
毎回毎回深夜12時にPCに張り付いてジャンプ+の更新を待って*2、エクストラゲームを読むたびに内容に感動して「で、黛さんは?」といいつづけ、ついに最後にはマジで一コマも出番が無かった時はマジで頭を抱えましたよ!!
このエクストラゲーム及びラストゲームでは、赤さんに大きな分岐点があります。
そもそも赤さんは二重人格であり、中学時代にアレして人格が分離、主人格のオレ司君と交代して、通称僕司君が以後表に出るようになります。その後、高1のWCまで約二年半僕司君が表に出ますが、WC決勝で誠凛に負けそうになった時にアイデンティティクライシスを起こしかけるもオレ司君と交代し、本来の赤司征十郎に戻る……というプロセスがありました。
オレ司君と僕司君では使える能力が違うため、試合中、オレ司さんは勝つために僕司さんに入れ替わります。しかし、最後の最後、ついに本気を出したナッシュに対して、僕司さんは自らの目の能力を進化させるため、『完全な赤司征十郎』になるために人格統合を提案し、二人の赤さんは一人の赤さんに戻りました。
その結果、僕司さんの存在が無くなってしまいます。彼は主人格であるオレ司さんに吸収されたのですから。つまり、僕司さんが死にます。
これは勝利するために僕司さんが自ら選んだ選択なのですが、僕司さんが死ぬわけですよ。
キセキの連中にとっては赤さんと言えばオレ司君、という思いがあると思うのですが、黛千尋にとって、あの屋上で自分に声をかけて見出してくれた赤司征十郎というのはオレ司君ではなく僕司さんであって。
僕司さんに見いだされて、洛山の影として高校生活最後の一年を僕司さんと過ごしたのであって。
それなのに!!! そんな黛さんの知らないところでいつのまにか表に出ていつのまにか僕司さんが死んでいたという現実!! エクストラゲーム連載時は本当この事実に頭を抱えましたよ!!
猫箱理論*3でエクストラゲームで描写されていなかっただけで黛さんが試合を見ていたという可能性ももちろんありましたが、僕司さんの死に目に黛さんが会えなかったのかと思うとマジで泣きそうでした……。
だけど!! ラストゲームは違います!!
途中からですが会場にやってくる黛さん! しかもそれが丁度赤さんの人格がオレ司君から僕司さんに切り替わる直前という神タイミング!! 狙ってたのかよお前!? と思わず叫びそうになりましたね!
で、僕司さんとオレ司君が人格統合した直後、黛さんのハッとなるカットが入るんですよ。
ああああああこの人僕司君死んだの気づいてるわスタッフありがとうございます!! もうそれだけで私の中でこの映画が神となった瞬間でした。ありがとうスタッフ。ありがとう藤巻先生。ありがとう世界。
これ、この1カットが意味することっていうのは、今までは黛視点から語ってましたけど、つまり僕司さんにとっても黛さんというのが欠かせないファクターであるということなんですよ。それだけ僕司さんにとって黛さんが決勝で放った「誰だお前」の衝撃が半端なかったということですよ。
更にいうなら、僕司君がナッシュに抜かれた時にも黛さんのカットが入るんですよね。僕司君の要所要所で存在感を出してくる黛千尋いい加減にしろ。
僕司君を語るうえで黛さんは外せないし、黛さんを語る上でも僕司さんは外せない。
改めてそう思わせてくれたラストゲームでした……。最高。