競馬を見るたび思い出す

ウマ娘、話題ですね。

私も軽く触りましたが、確かにすごいゲームだと思います。TLではみんなウマ娘の話をしてるし、ウマ娘のゲームのスクショが流れてくる。

 

でも、私はそんなウマ娘の話を見るたびに、少し心が痛むのです。

ウマ娘とはなんも関係はないですが、競馬で過去に苦渋の決断をしたことがあり、その傷が何年たっても消えません。ウマ娘を見ると、ゲーム内の競馬場を見ると、どうしてもそのことを思い出してしまうのです。

今回は、そんな思いを吐き出すべく話をしたいと思います。

特に面白い話でもないので、あまり期待はしないでください。

 

 

始めに言っておきますが、別に競馬で大損をしたとかそういう話ではありません。競馬の馬券は過去に一回しか買ったことがありませんし、競馬もそこまで興味がありません。

では、なぜ競馬で心に傷を負ったのか。

それは今から数年前、私が大好きだった作品が競馬とコラボをしたからです。

その作品名についてはここでは濁しますが、私のツイッターを昔からフォローしてくれてる方はこの話を何度かしてるのでご存じでしょうし、この記事を読んだだけで作品を予想できるでしょうが、とりあえずスルーでお願いします。

 

今から数年前のこと。

私が当時一番はまっていた作品が競馬とコラボをしました。

元々、メインのキャラクターの一人が競馬好きという設定であり、作中でも何度か競馬場のシーンも登場していました。その作品はいろんなところとコラボをしていたので、競馬(正式に言うとJRA日本中央競馬会)とのコラボが決まった時も、驚きましたが何をやるんだろうとわくわくしておりました。

限定グッズの販売だけでなく、スタンプラリーをやったり、撮り下ろしのCMが流れたり、完全新規エピソードのアニメが制作されたり、かなり気合の入ったコラボだったと思います。

その作品はアニメ自体の放映は終了していたので、二期を待っていたところに新作アニメの制作発表には界隈はかなり喜んでいたと思います。

コラボの一環として、有馬記念と合わせて東京競馬場で展示会や抽選会が開かれたりしました。私が競馬場を訪れたのは、後にも先にもその一回です。

抽選会に参加するためにはスタンプラリーのスタンプを集めたうえで、当日500円以上の馬券を買う必要があり、馬券を買ったのはその日が初めてでした。朝一で訪れたらまだ馬券の発売時間前で出鼻をくじかれたり、馬券をどこで買うのかわからず右往左往したり。

展示会場にはコラボの新作アニメの脚本や設定画、コラボの格好を再現した衣装などが展示されており、どれも見応え十分。抽選会ではTV放送された新作アニメを収録したDVDやコラボポスター、ポストカードセットが景品として用意され、三種類ともゲットできて私はめちゃくちゃ喜びました。

 

さて、話を戻します。

そのコラボ自体は大変満足いった形で終了しました。新作エピソードもとても面白くて、初めて行った競馬場は楽しくて、「まあ賭けはあかんしもう来ることもないだろうからな」なんて思ったり。

では、私の心に傷を負わせたのは、いったい何だったのか。

 

それを説明するには、そのコラボで行われたスタンプラリーの話をします。

スタンプラリーは山手線沿線のいくつかの駅にチェックポイントが置かれ、キャラクターの等身大の像やフォトスポットが設置されていたのですが、問題はその等身大立像です。

その像は作品のメインキャラクター数人がコラボ衣装を来たものとなっており、等身大なので大きさは170cmほどあるそこそこ大きいものです。それをなんと、ツイッターキャンペーンで当選者各一名にプレゼントするという企画が行われていました。

当然、私はそのキャンペーンに応募しました。一番の推しキャラを選択してキャンペーンに参加しましたが、当時その作品は一大ブームを起こしている大人気ジャンル。しかも私の好きなキャラは人気のキャラで、像は一つしかないのだしまあ当たらないだろうなと思っていました。

 

 

 

けれど、なんということでしょう。

それから一か月ほど過ぎたある日。

 

 ま さ か の 当 選 連 絡 が 来 ま し た。

 

連絡が来たとき、めちゃくちゃ驚きました。二度見しました。夢かと思いました。

そしてめちゃくちゃ喜びました。

 

喜んで、喜んで、しかし、はた、と思いました。

その当選メールには、こんな一文が記載されていました。

 

『HPにてサイズを今一度必ずご確認ください。万が一ご自宅等に入らない場合も、一切責任は負えませんので、予めご了承ください。』

 

前述のとおり、「等身大の」「170cm」近くある「立像」です。しかも像の下に台座があり、重さは35kgあると記載されてました。

 

そんなでかいの、どこにおくんだ????

 

私は家族とともに実家暮らしをしており、当時から私の部屋は足の踏み場がないほど物にあふれていました。主に本や同人誌がグッズです。

両親からは常日頃その物の多さに部屋をきれいにしろとか物を捨てろと言われまくっていました。特に父親が整理整頓にはうるさくて、リビングにちょっと物を置きっぱなしにしていただけでうるさく怒鳴ってくるような人です。

そんな中、ある日突然そのでかい像が届いたら何と言われるか? そんなもの、考えるより明白です。

私は悩みました。このまま、当選連絡のDMに返事をしてしまってよいものなのか。悩みすぎて夢にまでその像の当落に関わる話が出てきました。

悩んだ末、まず私は母親に相談しました。

好きな作品のキャンペーンででかい像が当選したんだけど……。母の返事は予想通り、「あんたの部屋にそんなの置く場所ないでしょ、どこに置くのよ」というものでした。

私はどうしても欲しいという旨を伝えましたが、母の答えは結局ノーでした。

親と話しているうちに、私もだんだん「置く場所もなく肩身の狭い思いをするくらいなら、別の人の手に渡ったほうが良いのではないのか」と考えるようになってしまいました。

そうして悩みぬいた末、私は当選のDMに辞退の返事を送りました。

 

本当に、苦渋の決断でした。後悔がないわけではありませんでしたが、仕方ないと割り切って、その出来事は過去のものとなっていく、はずでした。

 

 

それからしばらくたって。

ついったーである画像がRTされてきました。

それはよくある、推しのグッズでいっぱいのオタ部屋を紹介するというようなツイートでしたが、そのオタグッズで溢れているツイート主の部屋の一角に、私が辞退したのとは違うキャラクターの競馬コラボの像が映ってるのを見た時、私は猛烈に後悔をしました。

やっぱり親の反対を押し切ってでも、いや、親の意見なんか聞かずに受け取ってしまえばよかったのではないかと。

届いてさえしまえば、いくらでも親を言いくるめられたのではないかと。

一度は抑え込んだはずの後悔が、再び蘇りました。

 

 

あの時の決断が正しかったのか、間違っていたのか。私には分かりません。

ただ、今でもその出来事は、私の中で後悔となって残っており、時折傷が疼くのです。

人生で一番後悔していることと問われれば、私はこれを上げてしまうかもしれないくらいには。

 

 

その作品は今でも人気が残っており、アニメも二期三期が放送され、映画や舞台にもなり、多方面で展開していますが、その作品に触れていると、時々後悔が蘇ります。

そして今、世間ではウマ娘がブームとなり、競馬の話で埋め尽くされています。ウマ娘単体ならそこまで意識しなかったものが、競馬の話題を見るたびに、私が手に入れなかった像のことを思い出します。

 

今、私が当選の権利を放棄したキャラの像はどこにあるのか。

私の代わりに手に入れた人の下で大切にされているのだろうか。

 

大切にされていたらいいなあ。

そんな話でした。

 

 

大して面白くもない話を最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ああああああああああああ本当惜しいことしたなあああ!!!!