アニメおそ松さんファンの腐女子が実写映画おそ松さんを見てきた感想

osomatsusan-movie.jp

 

見てきました。

最初に言うと、点数つけるなら85点くらいですね。全然期待せずに見に行ったら思ったよりも良いものが出されたので気持ち高めになってるかもです。

内容にも触れてるので、ネタバレ嫌な人はご注意ください。

 

 

私は基本、実写映画を見ません。

特に、好きな作品の実写映画は見ません。

まあそもそもアニメ漫画原作じゃない実写の映画もほとんど見ない、映画と言ったらアニメ映画くらいしか見ないオタクなのですが、それでも今回のおそ松さんは公開初日に見に行きました。

なぜかと言われたら、それはおそ松さんの実写映画だからです。

 

私が実写映画を好きでない理由は、2時間という短い尺の中に納めるため、原作のストーリーをツギハギし無理やりつなぎ合わせるくせに、余計な要素を加えて全くの別物にしたてあげることが多いからです。解釈にうるさいオタクは原作のキャラとはまるで別物のキャラをお出しされると解釈違いで発狂します。そういう理由です。

では、なぜおそ松さんは見に行ったのか。

おそ松さんはそもそもの原作が「解釈?何それ美味しいの?」という状態だからです。

まあ、この言い方に語弊があるかもしれません。アニメおそ松さんはアニメオリジナル、一話完結型のギャグアニメです。これまで全三期76話に劇場版と放送されてきましたが、一番最初のアニメの公式サイトに書かれていたキャラ設定は実際のアニメではそんな描写はなく二期からは一文が消されていたり、話によって爺になったり女になったりリアル絵になったりうんこになったり、兄弟じゃなくなったりイケメンになったり、話ごとに設定が変わるし基本の設定も増えたり減ったりしていきます。あらゆるパロディ、下ネタ、パラレル設定を行っている松アニメはもうなんでもありです。中の人だって普通にアニメの中に出てきます。

そんなアニメの実写化なんです。原作改変だとかキャラ解釈とかそんなの言うまでもなく、「いやそもそもおそ松さんのアニメは元がああだからな……」という感じなので、いつもの実写映画に対する不快感を感じる要素が薄いと感じました。むしろ実写化してクソみたいなものをお出しされてもそれをネタにできる。それがおそ松さんという作品だと思ってます。

 

というわけで、見てきました。そんな感じであまり期待せず、前情報も初報の予告くらいしか見ずに見に行きましたが、普通に面白かったです。

ただ、気に入らないところもあったので減点して85点にしました。

ちなみに、私はスノーマンのことは全然知りませんし誰が誰かの見分けもついてないです。

 

以下、映画を視聴して思ったところ。

 

・「実写なんて面倒」というメタ発言

映画冒頭、六つ子が揃って歯磨きをするシーンがあるのですが、そこでいきなり「なんで実写なんてするのかな」「カツラと同じ服装だけで六つ子なんて無理がある」としょっぱなからメタ発言をかましてきます。私はここで「あ、これはおそ松さんの映画だな」とひどく安心しました。

十四松の「僕のこの動きとかめっちゃCG大変そうだよねえ~」とか言って腕をグネグネと伸ばすのですが、本当に今回の映画は十四松が一番CGに金かかってた気がしますわ(白黒……)。

 

・アイドルに脱糞放尿させるなごめんなさい!!!!

これは実写化の一番最初で松のオタクの皆が思ったと思うのですが、何故アイドルにおそ松さんをやらせようと思ったのか。

おそ松さんというアニメは下ネタセクハラ全裸脱糞が多分に含まれる、割と下品な表現を多用します。それなのに、そんなおそ松さんのアニメにジャニーズのスノーマンを全員出演させて六つ子を演じさせるという無理難題に「スノーマンファンの皆様申し訳ございません!」と思ったのではないでしょうか。後々にスノーマンも全裸になったことがあるなどの情報が拡散されスノーマンファンの方々から「大丈夫です!」と言われてるのを見て私は戦々恐々としていました。

公開前は「予告にサマー仮面の仮面が映ってたから岩本君がサマー仮面をやるのでは?」「一松の脱糞芸とかどうするんだろ……」という予想や危惧を見ましたが、

まさか長男が脱糞未遂&車におしっこかけるなんてことをするなんて……。脱糞芸するのは一松でしょ!!?? 長男はあの場面でうんこしようとしないでしょ!?

これには本当、向井君ファンの皆さん申し訳ありません。

しかも放尿シーンめちゃくちゃ長かったな……。

 

・くどい「終わらない物語」の描写

映画を見る前、これはどういう話になるんだろうと思ってました。事前情報で金持ちの養子になるために六つ子たちがそれぞれ努力をする、そこに怪しい物語終わらせ師が現れる、というストーリーだけ聞かされ、一体どうなるのかと思っていたのですが、まさかの六つ子の個々のストーリーラインが暴走。養子になるために努力していたはずが、気づけば六人それぞれが全く別のストーリーを展開して元の展開なんてどこへやら。

謎の少女と恋物語を始める長男、ホストのヤクザになる三男、川に落ちて流されアメリカに流れ着き、記憶喪失になってCIAの捜査官と勘違いしたまま行動する次男、戦国時代にタイムスリップする五男、デスゲームに参加する四男と、そのデスゲームの主催者になる末弟。この暴走した展開を終わられて元の流れに戻すために現れたのが物語終わらせ師……ってこんなん予想出来るかいwwwwwwww

そこから終わらせ師の三人たちが映画のお決まり展開に無理やり流れを持っていき話を終わらそうとするも、六つ子たちは素直に話を終わらせてくれない。そして十四松は行方不明。なぜなら六つ子たちは自分が主役の展開に我が意を得たりと話を無理やり続けようとするからだ。ここら辺の攻防は割愛するとして、まあこれが長いのよ。

長男三男、四男末弟、次男の三本のストーリーラインをあの手この手で終わらせようとしては終わらずメタ合戦が繰り広げられるのだが、まあこれが長い。中盤ほぼこれしかやってないからだ。

こちらとしては、「なるほど、終わらせ師が話を終わらせて話が次の展開になるのか」と思ったら、全然そんなことはない。話は終わらず、逆に終わらせ師も六つ子の話に巻き込まれて話は続いていくのだ。最初のころは結構笑ってたけど、途中からだれてきて「これどうやって収集つけるんだよ……」と辟易とし始めた。

だから終盤の展開はめちゃくちゃ個人的に盛り上がりましたね。

 

・ドッタンバッタン大騒ぎのラスト

それぞれの三つ(四つ)のストーリーがまさかの同じ場所に収束し、再び六つ子が集合。そこからのハチャメチャ展開は必見です。そのきっかけを作るのがこれまで独自路線を走ってた暴走特急十四松というのもよい。

松造と松代のイイハナシダナー展開を足蹴にし、いきなり現れた死んだはずの大企業の社長夫婦の息子、実は六つ子はクローンだった?!というシリアスな展開に行きかけた流れを「実写映画だからってすぐそういう新しい設定足してシリアスな展開にもっていこうとするよねえ」とメタツッコミでかっ飛ばすのはまさにおそ松さん。そこから終わらせ師との攻防から続くメタ合戦で設定やら何やらを否定し物語を破綻させ、その結果お金持ちの養子になるという一番最初の目的すら消失する「やりすぎた~~~!」の自業自得展開のオチはこれぞ六つ子と言わんばかり。

個人的には死んだ父親の形見のジャケットのくだりを持ってきた辺りからもうめっちゃ笑ってました。後、栗原類を全裸にするな。

中盤の中だるみもラストの爽快感で十分帳消しできました。

 

・ハタ坊の扱い

ただねえ、映画のラスト、大企業の会長が過去改変されハタ坊になるのですが、その結果「こんなバカがこんな大企業の社長になれるわけがない」からの会社ビルが倒壊して終わるのですが、アニメおそ松さんではハタ坊はフラッグコーポレーションという大企業の社長やってるんですよね……。そもそもハタ坊はチビ太やトト子ちゃんと同じく六つ子の幼馴染なのに、全然出番がなく終盤にようやく出てきてまるで知らないキャラみたいな扱いの果てにああいうオチをつけて来たのになんだかなあと思いました。

 

・次男アクションシーンモリモリにしてくれてありがとう

これは次男クラスタの女の意見ですが、映画の次男は力自慢の筋肉アピールがすごくてアクションもめちゃくちゃやってたのがめちゃくちゃよかったです。ただ前述の中盤の中だるみのシーンだったせいで割と半目で見てしまってたので、後でもっとちゃんと見ればよかったなと反省しました。

私は身体能力高めの次男大好きなオタク。

 

・デスゲームする110

デスゲームの参加者になった一松とゲームマスターのトド松。ここが最初カイジエスポワール編だと思ったら焼き土下座ならぬマグマが出てきてアカギの鷲頭麻雀みたいに血を賭けだしたと思ったらラストは賭けグルイになってパロが多すぎるねん。

 

・三角関係の速度

これまじでおそチョロとかチョロおそのオタクどんな気持ちで見てたのか知りたい。長男と三男が一人の女を取り合って三角関係とかやばいな?

個人的には女子にまともに話しかけられないシコ松の三男が気づけばホストクラブのトップに上り詰めてたのにツッコミどころしかないが。

最初長男が無事物語から抜けられたと思ったらハルと最初に出会ったシーンと似たことやりだして「こ、これは無限ループ展開!?」と思ったらマジで同じこと繰り返して笑ったもの。

あ、後めっちゃ伏字にされてた三男への呼び名はシコ松でいいんだよね?

 

 

<総評>

おそ松さんのファンなら見に行って損はないかなあと思いました。少なくとも私は楽しめました。

ただ、二回目行くかと言われたら微妙ですね……。そこまで特別面白かったというわけでもなく。後実写だし。

ひとまず、SnowManの皆様、実写版おそ松さんを演じていただきありがとうございました。