真島ヒロ、上条明峰、綾峰欄人がコラボした合作読切漫画「プルー奪還作戦!!」を探した旅の軌跡

どうも、二次元で好きなキャラ殿堂入りはゲットバッカーズの赤屍蔵人さんな女、憂依です。

 

2000年代の週刊少年マガジンが産み出した名作、「RAVE」「SAMURAI DEEPER KYO」「Get Backers! -奪還屋-」の三作はみなさんご存じでしょうか。

「あの頃のマガジン作品を三つ上げるなら?」と質問したら間違いなく大多数の人がこの三作をあげるであろうくらいに、当時人気の漫画達。(なお悪い意味でも人気だった)

三作とも(出来はともかく)アニメ化を果たしており、主人公格の声優が関智一川澄綾子だったり小西克幸堀江由衣だったり神奈延年森久保祥太郎だったり今から見るとすごい豪華声優だったり。

私も例にもれずこの三作はいずれも大ファンであり、ゲットバッカーズとKYOでは夢女をやっていたりしました。単行本も全巻持っていますし、KYOは画集や文庫版も買いました。

こんな三作の大ファンであった私ですが、なんとこの三作品がコラボした合作漫画がかつて読切として雑誌に掲載されたことがあるそうです。

今回はこの読切について話していきたいと思います。

 

 

さて、まずこの三作について知らない人もいるでしょうから軽く紹介したいと思います。

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RAVE。

辺境の島で姉と二人で過ごしていた主人公ハルが島に流れ着いた謎の犬プルーと、島を訪れた老人シバと出会い、二代目レイヴマスターに選ばれたことで、ダークブリングを操り世界を脅かす悪の組織デーモンカードと戦うことに。旅で出会った記憶喪失の少女エリーと共に、各地に散らばる五つのレイヴを探しながら、デーモンカードとの死闘を繰り広げるファンタジー作品。

言わずも知れたマガジンの大人気作家真島ヒロ先生の初連載作品。1999年から2005年の間連載されており、アニメ化、ゲーム化も果たしております。

 

 

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SAMURAI DEEPER KYO。

関ヶ原の戦いから四年後、兄の敵を追う賞金稼ぎの少女椎名ゆやは謎の薬売り壬生京四郎を伝説の賞金首「鬼眼の狂」と勘違いして捕まえようとするも人違いであった。しかし、鬼眼の狂は京四郎の体内に魂が封印されており、狂にかけられた賞金目当てにゆやは京四郎と旅を共にするように。やがて、物語は歴史を裏から操る神の一族である壬生一族と、二人のKYOの因縁へと進んでいきます。

後に「CØDE:BREAKER」を描いた上条明峰先生のデビュー作であり、1999年から2006年の間連載されておりました。こちらもアニメ化をしていますが、アニメオリジナル色がめちゃくちゃ強いです。というかほぼアニオリ展開です。アニメののちに発売されたドラマCDは原作通りの話をやっているので、そっちはお勧めします。

 

 

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ゲットバッカーズ

東京、裏新宿。「奪られたものは奪り還す」をモットーに裏稼業である奪還屋『GetBackes』を営む二人組、美堂蛮と天野銀次の活躍を描いた物語。

なんか上と比べてあらすじがめっちゃ簡素になっちゃったので追加すると、チートインフレバトル漫画として悪名高い作品であり、最強議論スレの上位に主要キャラがよく参戦する漫画です。

原作青樹佑夜、作画綾峰欄人の漫画作品であり、作画担当の綾峰先生はこれがデビュー作。1999年から2007年の間連載されており、アニメ化ゲーム化も果たしている作品。ただしアニメは途中からほぼアニオリ展開であったり……。ちなみに原作の青樹佑夜樹林伸の別名義です。

 

 

まあ、こんな感じで三作を軽く紹介したところで本題に入ります。

RAVE、KYO、ゲットバッカーズの合作読切がある。

私はこの事実を長い間知りませんでした。数年前、フォロワーの一人がこの読切について話していたのを見かけて「え!? そんなの存在したの!?」と驚いたくらいです。

 

というのもそれもそのはず。

この読切、各作品の単行本に収録されていないのです。

普通、他作家との合作漫画でも片方、あるいは両方の作品の単行本なりファンブックなりに収録されそうなものですが、どの作品も収録されていない。当然、単行本しか買ってない人や後になってはまった人は読む機会どころか存在を知る機会すらない。ゆえに、私もフォロワーに教えてもらうまで全く知りませんでした。

加えて、ネットで検索してもほとんど情報が出てこない!!

例えば、RAVEのウィキペディアには一応この読切について言及されており、読切のタイトルが「プルー奪還作戦」であることと、簡単なあらすじが書いてありますが、出展元もなければソースもないただの記述のみ。

グーグルで「プルー奪還作戦」と検索したら革命機ヴァルヴレイヴ が検索上位にめっちゃ出てくる。*1

ツイッターで検索しても私とフォロワーを含めた三人しか呟いていない。もう20年近く前の作品の話とはいえ、作品自体は割と話題に上がることはあるのに、この読切に関してはあまりにも知名度が低すぎる。

 

しかし、「在る」と知ってしまった以上、当然内容が気になってくるのがファン心理というもの。何ならぜひ実際に読んでみたい。

そこで、私はネットの海にダイブするのであった。

 

この作品、情報が全くないので一番最初にどの雑誌に掲載されたのかもわからない。

そもそもタイトルもこれで合ってるのか? 検索しても上述の通りヴヴヴがあまりに検索の邪魔すぎる。

一応、掲載紙が特定できれば読む方法はある。

ヤフオクやメルカリなどで中古を探す

これはまあすぐに思い浮かぶだろう。しかし、いくらマガジンという日本三大週刊誌と言えど、20年近く昔のバックナンバー。どの号か特定できたところでその雑誌が出品されている確率はかなり低い。

現代マンガ図書館で読む

こちら明治大学にある日本で出版された漫画や雑誌を多数収蔵している図書館であり、コミケで回収された見本誌が収められていることでおなじみ米沢嘉博記念図書館と併設している。明治大学の学生でなくても一日会員、一年会員として料金を払えば図書の閲覧が可能です。

www.naiki-collection.jp

蔵書はインターネットから誰でも検索が可能であり、これで調べたところ2000年前後の週刊少年マガジン米沢嘉博記念図書館の方に蔵書があることは確認できました。

ならその時代のマガジンをしらみつぶしに読んでいけばいいのではないかと思うのですが、そう簡単ではないのです。この図書館では閉架図書は一日20冊しか取り出せず、一冊当たり110円の値段がかかります。そして、週マガのほとんどは閉架に保管されている。

何年の何号に掲載されているのか、そもそも掲載されたのが週マガなのかそうじゃないのかもわからない状況ではこちらの手段を利用する方法も難しい。

結局読切が掲載されたのがどの雑誌なのか特定する必要があるのですが……。

 

でもどれだけネットを調べても出てこないーーー!!

一週間くらい色々調べたけど出てこないーーーー!!

 

そのうち私は調べるのを諦め、一年が過ぎた……。

 

 

 

 

………………

 

時は流れ2022年5月17日。

件のフォロワーがまたこの三作の話題を出していた。ついでに、なぜか突然TLにKYOについての話題が流れてきた。こっちについては正直発信源はよくわからないので、なんでやとおもいつつツイートしたのがこれなのだが。

この時、私は一年前に挫折した合作漫画の存在を思い出した。

もう一度調べてみるかな……。なんとなく思った私はまたネットの海に飛び込んだ。

検索結果はやっぱりヴヴヴがいっぱいでてくるし、めぼしい情報はなさそうだ……。もうこうなったらマガジン編集部に問い合わせの手紙でも送ったほうが早いのではないか。そんなことを考えながら手紙にしたためる内容を考えていた、その矢先である。

検索結果の一覧の中に、異色を放っているサイト名が引っかかった。サイト名はここには載せないでおくが、……そう、それは当時のマガジンの感想をのせているサイトだった。

なんで!!?!?!?? 去年調べた時はこんなサイトひっかからなかったぞ!?

そう思いながらも、私はそのサイトのページをスクロールしていく。すると、私が探し続けていたプルー奪還作戦の感想も載っていた。週マガ5・6合併号の感想の中に。

 

 

思わずツイッターでもこんなこと呟きますわ!!!!

あれほど調べて分からなかった掲載紙と掲載号が突然わかるってどういうこと!?

上のツイートから30分もたってないよ!!??

更に、その前後の号の感想から新連載に言及している内容を発見し、そこから掲載年を特定。

私が探し続けていた読切は

週刊少年マガジン2001年5・6合併号」に掲載されていたことが発覚した。

 

なんだ、何が起きている?

動揺しながらも、私は次のステップに進むことにした。そう、掲載号の確保である。

 

とりあえず私は最初に駿河屋を検索した。オタクが中古の古い商品を探す時は大体駿河屋を最初に検索する。が、とうぜん存在しない。一度も入荷していない。

まあ当たり前である。なにせ21年も前の漫画雑誌だ。そんな大昔の雑誌を今も手元に残しているとしたらかなりのマニアかよっぽど収納に余裕がある家だ。

それを手放して今この令和の時代に出品されているなんて、よっぽどの奇跡か偶然でも起きない限りないに決まっている。

そうおもいながら、私は「週刊少年マガジン 2001年 6号」と検索して……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メルカリで売ってるうううううううううううううううううう!!?!??!?!?!!??!?!??!?

 

 

いや、マジでこれは二度見した。

まさしく該当号が売りに出されていたのだ。売主はモー娘のポスターやグラビアをアピールポイントにしていたがオタクからすればそんなのより合作読切の方が重要である。

商品ページには目次欄の画像も添付されていたが、そこには「★特別企画合作漫画!! プルー奪還作戦!!」の文字が燦然と輝いていた。

間違いない。この号である!!

すぐさま私は購入ボタンをポチった。値段は高いのか安いのかわからないが普通に送料込みで考えればそんな高くないだろうというのが私の判断だった。そもそもこの時代の雑誌の相場なんて知らんし。

出品からすでに半年近く経過していたが誰も買わずにいてくれてありがとうと思わず天を仰いで感謝した。

ちなみに私はこれが初メルカリ利用だったので、悪徳売主だったらどうしようとかめちゃくちゃそわそわしていたが、相手はとても良心的な方であり、注文してすぐにとても丁寧な梱包で到着した。正直あまりにも丁寧すぎてビニールを剥がすのがめちゃくちゃ面倒だったくらいだ。ありがとうございます!!

 

というわけで、ついに手に入れましたRAVEゲットバッカーズKYO合作読切漫画掲載誌!!

いやあ、さすが21年前。連載陣も時代を感じさせますね。

ちなみにゲットバッカーズは「Act.6 無限城”IL”奪還作戦!㊻」でIL編ラスト、

KYOは「其七十五 死闘・玖の太刀」で京四郎が出てきたところ、

RAVEは「RAVE:74 新しいスタート!」でキング編ラストと番外編の「Knights of Kingdom」の後編が掲載されていました。どれも割と初期の頃ですな……。

 

読切は全5P。

あらすじは某wikiに掲載されていた通り、賞金のかかったプルーをGBコンビが奪い、それを取り戻すべくゆやと京四郎が追いかけているというストーリー。そこにKYOとGBの主要登場キャラが絡んでわちゃわちゃしている、という感じの内容でした。RAVE成分は他二作と比べたら薄めだったな……。

読切部分はアップしてよいのかわからなかったのでとりあえず載せていません。個人的には読み切りと一緒に掲載されていた作者三人の対談も面白かったですね。

上条先生が「ネームが最長4日、ペン入れ4日だから休みはない」、綾峰先生が「原作があるから楽だけど原稿に5日かかる」といってるなか、ヒロ先生が「ネームを一日で書いて一日打ち合わせ、ペン入れを一日10ページを目標にしているので読切とかが無ければ週に二日は休める」という旨の発言をして上条先生と綾峰先生がめちゃくちゃ驚いてるのが、この頃から筆が早いんだな先生……などと思ったり。(この号も二話掲載してるし)

 

ちなみに、これを発見した後にとある2chのスレのログが検索に引っかかり、この読切が2003年にマガジンフレッシュという増刊に再掲載されていたという情報も見つけたのですが、マガジンフレッシュがマジで引っかからなくて2003年のいつの号かわからなかったです。

あと、一年越しに情報が載ってるHPが見つかった件なのですが、後で試したところパソコンとスマホでグーグル検索結果が異なり、スマホで検索した場合のみ件のサイトが引っかかりました。

今上に書いた2chログも同様。

謎である。

 

 

さて、総評。

えーー、はっきり言います。

正直、内容はあんまり期待したほどじゃなかった。というか、こちらの期待値が高すぎた。何せ数年ごしである。

本当にKYOとGBのキャラとプルーが絡んでるだけのお祭り漫画、という感じでした。むしろ先生方の対談の方が何なら面白かった。

でも、ずっと読みたかったものを読むことが出来た満足感は大きい。バラシて保存するかは悩んだけど、とりあえずしばらくは雑誌の形のまま保管しておくことにします。

読切に関しては、どこにも再録されてないしこれからもされるか分からないのだから全ページアップするのもありかと思ったけど、先ほども言った通りやめておくことにしました。

 

もしこの記事がバズって先生方やマガジン編集部の目に留まったなら、マガポケとかで掲載とかどうですか?!

 

まあ、そんなこんなで、数年越しのKYORAVEGBコラボ漫画を探す旅は、無事幕を閉じたのでした。めでたしめでたし。

 

 

 

*1:ヴヴヴにプルーという機体が登場することと、「モジュール奪還作戦」というタイトルの話があるからだと思われる